2019年6月17日
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羽生田たかしWEB通信8号
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前回の7号では難病のひとつであります「小児脳幹部グリオーマ」対する思いを書かせていただきました。大変な数のご意見を賜り誠に有難うございます。尚一層の取り組みをしっかりと検討してまいります。
本題に入る前に一言。先日の中医協の総会で注目のキムリアを公定価格で収載することが決まりました。
キムリアは既存の治療法が効かない一部の白血病患者に対して、臨床試験段階で高い治療効果が認められ、一回の投与が3000万円を超える高額薬として注目されていた新しいタイプの薬です。患者さん自身のT細胞を改変し、個別に製造を行う生きた医療用製品で、単回の投与で治療が可能とされ推定投与患者数は年間200人程度と言われています。
あまりにも高額なため、薬価算定時における透明性の課題を始め、多くのご意見があるのは事実ですが、私は近年の医療技術や生命科学の目覚ましい進歩によってもたらさる恩恵を、財政への配慮によって国民が享受できない事態は決して許すべきではないと考えております。
さて、今回は私の日頃の取り組みの中で、省庁を横断する調整力と突破力が問われる課題についてお話させていただきます。問題解決の為に各方面への多元的な活動が必要な案件は多数ありますが、今回ご紹介したいのが「神経管閉鎖障害(脳や脊髄の生まれつきの障害)」についてです。
これは日本先天異常学会やビタミン学会が主に取り組まれている活動で、日本医師会雑誌(本年1月号)にも医療職の葉酸認知率と題して、私にこの使命を頂きました近藤厚生先生(他5名共著)の論文も掲載されております。
この神経管閉鎖障害(脊髄や脳の障害)は、妊娠を計画する女性や妊娠が考えられる女性は妊娠前4週から妊娠12週まで葉酸を1日0,4mg内服することによってお子さんへの発生リスクを50〜60%低減するとされています。
しかしながら、若い女性の間では葉酸のことを知っている割合が20〜25%と大変低く、これを是正するには、学校教育や健康教育において女性が女性の体の仕組みを情報提供すべきであります。
何故ならこの神経管閉鎖障害は妊娠6週頃(受精後4週頃)に発症すると言われており、医療機関に於いて妊娠を確認したときには既にこの期間を過ぎている可能性が高いところも教育が必要な要因のひとつであります。
厚生労働省も2000年に妊娠を計画する女性に対し栄養バランスの取れた食事(葉酸量0.4mg/日)に加えて栄養補助食品からの0,4mg/日の葉酸摂取による、神経管閉鎖障害の発症リスク低減の通知をしています。しかしながらこの通知の後も神経管閉鎖障害の発症率は減少しませんでした。
今回、この活動を長く続けてこられた近藤先生と共に5月16日に厚生労働省及び文科省・スポーツ庁に要望へ参りました。
厚労省へは再通知及び広報周知の徹底、文科省・スポーツ庁へは学校教育、健康教育の現場において情報提供の機会を得ることを要望いたしました。
障害がサプリメントという栄養補助においてリスク低減が実証されているものは大変少なく、やはりこれは子供を守る意味において大切な事であり、かつ摂取の時期が重要であることを踏まえ、あるべき取り組みがされる事を期待しております。
情報提供を頂きました、近藤厚生先生と長きに亘り取り組みをされております日本先天異常学会、ビタミン学会の皆様に敬意と感謝を申し上げます。
参議院財政金融委員会 理事
自民党厚生労働部会 部会長代理
医師の働き方プロジェクトチーム 座長
参議院議員
羽生田 たかし
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すべての人にやさしい医療・介護を
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